2006年05月

  1. 2006/05/31 2006年5月19~31日
  2. 2006/05/30 青空の見える丘 第十六話『夕焼け空と文化祭(後編)』
  3. 2006/05/25 青空の見える丘 第十五話『夕焼け空と文化祭(中編)』
  4. 2006/05/18 2006年5月18日 1/100インフィニットジャスティスガンダム
  5. 2006/05/16 青空の見える丘 第十四話『夕焼け空と文化祭(前編)』
  6. 2006/05/15 2006年5月15日 BB戦士デスティニーガンダム
  7. 2006/05/14 2006年5月12~15日のこと。
  8. 2006/05/11 2006年5月11日 BB戦士ガンダムアストレイレッドフレーム
  9. 2006/05/10 2006年5月2日~10日のこと。
  10. 2006/05/01 2006年5月1日 魔装機神サイバスター

2006年5月19~31日

5月31日(水) 28勝19敗1分け
亀の甲羅、と思った日のこと。
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青空の見える丘 第十六話『夕焼け空と文化祭(後編)』

前回までのあらすじ) ナレーション:西村小夏
突然の戦闘に巻き込まれ、偶然人型機動兵器に乗り込むことになった秀ぃ!

「無茶苦茶だ!PCエ○ジンシャトルでこれだけの機体を動かそうだなんて!」
「LTじゃないだけいいのかもしれないね」

春姉ぇのカットインは揺れまくった!
都会ねーちゃんは揺れないのはデフォです。

「またそれなの……」

果たして全国大会への出場は可能なのか!

「何の大会なんでしょうね」

その時ポレポレに秘められた力がついに覚醒した……!
青空の見える丘、PS2版は12月14日発売予定(嘘)!





注)このあらすじは信じないでください。きちんと前編、中編を読んだ方がいいと思われます。





青空の見える丘
第十六話『夕焼け空と文化祭(後編)』





「センキュー!次は卒業式の二次会でまた会おうぜ!」

と勢いで口走ったりもしたが、大盛り上がり(後で聞いたがミスコンと並び出し物の人気TOPに選ばれたとか)でセカンドライヴは幕を閉じた。
しかしおかしいな。
最前列に居るものとばかり思っていた小夏の姿が見えない……
そう思いつつも、そのままステージ脇で次のミスコンの特別審査員をしなければならず探す事もままならない。
パイプ椅子に腰掛け、美少女たちの登場をまだかまだかと待ちわびる。

「オラ、わくわくしてきたぞ!」
「さて、会長も出場する為僕が司会を引き継ぐ事になっている。秀樹君はここで存分に楽しんでくれたまえ」
「おう。ポロリはあるか?」

同じネタを繰り返すのは危険だから普通の意味だぞ。

「僕でよければいくらでも見せてあげたいのだが……場が場だしね、残念ながらない」

その残念は女子のポロリがないことへなのか、お前が俺にポロリを見せられないことへなのか。
聞いたら喜んで後者とか言いそうなので口には出さないで置こう。

「みなさま大変長らくお待たせいたしました!これよりファミーユ学院ミスコンテストを開催いたします!」

光一の司会で待ちに待ったミスコンが始まる。

(略)

「いやー、迷うな」

まさかこれほどの上玉揃いだったとは……
投票結果が出るのはしばらく後であるため、一先ずクラスに戻ってきた。
今回はミスコンに目が向いていた為『滝沢&秀樹』も割とスムーズに抜けることが可能だ。

「そしてみんながみんな俺の知り合いと言うのも」
「ふむ、まさに主人公と言った感じだね、秀樹君」
「それを言っちゃあおしまいだな」

先輩、伊織の二大プリンセス、天然巨乳で名をあげた春菜。
先日の飛び入りで一気に注目の的になった小夏。
そして予想外に出場していた翠。

「……あれ、ミコトちゃんは?」
「わたしは攻略対象じゃありませんから」

そんな、俺が一方的に見たり押し倒したりした仲じゃないか!

「ふふ、まぁわたしの事はファンディスクとか、コンシューマ版でよろしくお願いしますね」

最近の移植は声が変わったりして諸刃の剣だから素直に喜べないと思うんだ。

「ふむ、まぁ僕は特に問題はないが……後は会長も最近は活躍しているし大丈夫ではなかろうか」
「そう楽観も出来ませんね。総入れ替えが多いですから」
「やっぱファンディスクが一番だな」
「うむ。僕と秀樹君が結ばれるにはコンシューマには荷が勝ちすぎる。やはり18禁でなくては……」

い、一体何をする気だ!?

「大丈夫さ秀樹君、今はBLも立派な一ジャンルだよ」
「大丈夫じゃねぇ!?」
「まぁまぁ、願望の話は一先ず置いておくとして。今井くんはもちろん伊織ちゃんに投票したんですよね?」
「う……まぁ、その。当然だな」
「……本当に迷ってたんですか、さっきの台詞は」
「だ、だってだよ!?あんな豪華な面子じゃ仕方ないと思うわけですよ!」





クラスの出し物メイドカフェの衣装で現れた先輩。
ドジっ娘ではないものの破壊力は人造人間も裸足で逃げ出す程の物だった。

『ご主人様、とか呼んだらときめいちゃってくれますか?』

もちろんです。

前日に続き水着審査もないのにスク水エプロンで登場した小夏。
いみじくも本人の言った通りひんぬー好きの票を大分集めていたようだ。

『ひんぬーとスク水は地上最強の組み合わせだからね!』

しかし本編中も思ったんだけど、泳いでる時もポニテを解いてなかったような……

ただ一人制服で登場した春菜。
逆にそれが清楚なイメージを演出していたし、癖である胸の上で手を重ねる仕草が妹とは正反対の票を集めている。

『え、あ、どこ見てるの~!?』

胸以外のどこを見ろと言うんだ。

フリフリの私服で現れた翠。
それは立ち絵の都合上と言うのもあるがモデル然としたあのスタイルに良く映えている。

『出る気は無かったんだけどね。拉致されてしまったよ』

後で聞けば先輩は三年生にあった翠の姉から来るイメージをいっそ翠自身に変えさせてしまおうと出場を強行したとか。





「潔くないぞ、秀樹君。まぁ、僕を選びたくなる気持ちも分かるが」
「そうですよ。何を置いても伊織ちゃんを応援するのが今井くんの役目なんですから」

今ならツンデレの気持ちも良く分かる。
人は恥ずかしいとついつい反発してしまうものなのだ。

「今井くんのそれは小さな男の子が好きな女の子に悪戯するレベルじゃないかと思うんですけど……」
「痛い所突きますね」

と言うか今までがすっとそうだったから、なかなか変えにくいものなのかもしれない。

「そうですか?普段から割とベタベタしてるんじゃないかと思いますよ」
「そう!よくも僕の目の前で秀樹君と……っ」
「お前は少し落ち着け」

俺はお前のものじゃない。

「……秀樹君、ステージから降りたらつれないね」
「そろそろ発表だな、見に行こうぜ」
「そうですね」
「……くすん」

さて、伊織が優勝してる事を祈るのみだが……どうなることやら。





講堂は結果を見に来た、そしてもう一度出場者を見ようと観客がすし詰め状態だった。

「では秀樹君、表彰の為にまたステージに上がってくれたまえ」
「わかった」

袖から出場者の居るステージへの階段に足をかける。
今はステージにのみスポットライトが当たっているし……可能。
後ろを振り返るとミコトちゃんが鍵を渡してくれた。

「テニス部の部室の鍵です。今日は誰も来ないと思います」

言わずとも俺が何をするか分かっている辺りさすがだな。

「助かるよ、最初は俺が鍵持ってる保健室にしようかとも思ったんだけど」
「今日は一般客も居ますからね、保健室は人が多いと思いますよ」
「確かに。んじゃありがたく借りとくよ」
「返却は伊織ちゃんに渡してくれれば大丈夫ですから」

小声で早口ではあるが所要時間ジャスト1.00秒と言うバトル漫画的手段で会話を終え、俺は階段を登った。





「……ミスファミーユに輝いたのはテニス部二年、速水伊織さんです!」

スポットライトがテニスウェアに身を包んだ伊織を照らす。
……立ち絵の都合ではないぞ。テニス部の宣伝もしてるんだからね!?

「優勝商品である『滝沢&秀樹』とのデート権は出場者全員が秀樹君が良いというので自動的に選択過程は省かせていただきます」
「おざなりだな」

よし、そろそろ目を閉じておくか。

「都会ねーちゃん、どうせいつもデートしてるんだからここは小夏っちゃんに権利を譲渡しよう!」
「ダメよ、ちゃーんと私は発売前人気投票で優勝してるんだから」

またギリギリと言うかもはやアウトな発言をしなさる!?

「こ、小夏っちゃんがこの面子じゃダントツで最下位だとーっ!」

でも攻略対象なのにミコトちゃんより低い姉さんよりは良いと思うんだ。

「体験版じゃお姉ちゃんの出番ってほぼないからね」
「発売後の人気投票なんかしたら楽しそうですね」
「……先輩、自信過剰はどうかと思うよ」

断言しよう!この中の誰かはミコトちゃんに負ける!

「…………」
「…………」
「あ、心当たりがありそうな人が黙った」
「余裕だね、伊織ちゃん」
「そ、そんなことないわよ」

そうは言いながらも自分は大丈夫と思っているのがバレバレな伊織であった。
ま、そろそろいいか。
俺は優勝者の元へ近づく。

「優勝おめでとう、伊織」
「秀樹……うん、ありがと」

と言ったその時。
バチン、とスポットライトが消えて講堂内は真っ暗になった。
にわかに騒ぎ出す観客を他所に俺は伊織を抱きかかえた。
ずっと目を閉じていたおかげで暗闇にも十分対応できる!

「え、ちょっと!何すんのよ」
「このままトンヌラするぞ!」
「とんずらでしょ!?」

電気が付く前に外へ出なくては……
コマンド?
→にげる

「しかし秀兄ぃはまわりこまれた!」

小夏の声!
まさか見えてるのか!?

「このリボンで空気の流れを読めるのだよ!」
「嘘っ!?」

なら空気の流れを乱す!

「伊織、無我の境地で体を発光させるんだ!」

あれはオーラのようなもので土煙が起きるくらいだからな。
空気の流れも乱せるはず!

「できるわけないでしょ!」

突然のお姫様抱っこで真っ赤になった伊織には既に余裕がない。

「そもそも光ったらどこに居るのかバレバレじゃないかな」
「それもそうか」
「って悠長に春菜と会話してていいの!?」

非常によろしくありません。
だが俺には第二の秘策が……!
ブシューっと『滝沢&秀樹』のライヴで使われたスモークが噴出した。

「切り札は先に見せるな、ってな!」

この噴出なら空気の流れも読めまい!

「見せるなら更に奥の手を持て、か。確かにね」
「翠っ!?」

背後から……いつぞや言ってた小夏とのコンビネーションアタックかっ。

「……なんてね。邪魔はしないよ、早く脱出するといい」
「話が分かる!」
「馬に蹴られるのはごめんだからね。それに……」
「その方が面白そうですからね」

先輩まで……

「ですから光一さん、邪魔してはいけませんよ」

こっそりと迫ってきていた光一を牽制する。

「そ、そんなっ!秀樹君とメス猫速水の駆け落ちを黙って見逃すなどと……」
「駆け落ちなの、これ」
「ふふ、では伊織さんは優勝商品として秀樹さんとデートしてきてくださいね」
「なるほど、それも理由ですか」
「どうでしょう?」

先輩達に頭を下げて、俺はまだざわつくステージから伊織を抱えて逃げ出すことに成功した。

「まったく、強引なんだから……」
「こうでもしないと後夜祭まで俺と伊織が居られる時間がなくなるからな」
「……バカ」





ミコトちゃんから借りた鍵でテニス部部室の扉を開けた。
とりあえず文化祭が終わるまでの時間をここで潰す事にする。

「で、本気なの?」

二人して部室にあった長椅子に寄り添うように腰掛けて一息ついた後、伊織が切り出した。

「ん、何がだ」
「卒業式の二次会でまたライヴやるって」

ああ、そのことか……

「先輩が居なくなるんだしな。いっちょ派手にやろうと思う」
「そっか……そうよね、うん。でも次は私とデュエットとかにしない?」
「それも面白そうではあるけどな。それは個人的にみんなでカラオケ行った時にでもしようぜ」
「ま、仕方ないわね……盛り上がりと言う点じゃ『滝沢&秀樹』はもうアイドルだもん」
「次はコピーじゃなくてオリジナル曲で勝負するぜ!」
「無闇にハードル上げないの。誰が作詞作曲するのよ」
「……俺?」

伊織は溜息をついて小さく『バカ』と呟く。

「……いや、俺よりだな。文化祭終わったら学生会の役員選挙じゃないか」
「誤魔化せてないわよ、もう。……役員選挙がどうしたのよ」
「いや、お前は先輩から次期会長を期待されてるだろ?どうすんのかなって」

その事に思い当たり、伊織は少し考える。

「そうね……私って二年の夏休みからテニス部に入ったじゃない」
「ああ」
「実質一年弱しかテニス部には居られない。もしテニス部に入ってなかったならやってたかもしれないけど、今は部活。学生会長はやらないわ」
「そっか」
「うん。ま、滝沢に頑張ってもらいましょ」

光一はナンバー2でこそ生きるのだがまぁ適任者が居なければ仕方ない……か?

「それともあんたが会長やる?滝沢が泣いて喜びそうだけど」
「ハハハ、ゴジョウダンヲ」
「冗談でもないんだけどね。秀樹は人の心を掴むが上手いから結構向いてると思うのよ」
「そうかなぁ」
「何故かモテモテなゲームの主人公って大抵そんな感じでしょ?」
「身も蓋もないな」

だからと言って学生会の仕事をしたいとは思わな……くもないか。
先輩や光一を見ていてただの面倒事、と言う認識はなくなったし。

「しかしあと一年しか伊織のテニスウェアを見れないのだと思うと放課後はぜひ空けておかなくては!」
「そんな理由かバカーっ!」

伊織フィンガーが轟き叫ぶ!
直撃した俺は床に倒れこむ。

「ごはっ……」
「ったく」

見上げればそこには眩いアンダースコート。

「見んな」

がすっ!
踏まれてる!踏まれてますよ!
しかもグリグリと捻りまで加えて……

「ぎゃぁぁぁぁぁぁ」

ああ、でもこれもなんか悪くないかも。

「Mなのっ!?」
「いや、でも伊織はいじめたい」

ギリギリと踏み付けが重くなってきた。
痛っ、痛いってば!
仕方なく顔を横に向け窓の外を見た。
……綺麗な夕焼けが広がっていた。

「…………」
「なに、急に黙っちゃって」
「いや、東方は赤く燃えているなぁと」
「西でしょ、あっちは」
「……付いてきてくれよ!ネタなんだから!」
「知らないわよ、そんなの」

す、とやっと脚をどかしてくれた。
俺もまた立ち上がる。

「ネタはまぁ、半分本気だったけどさ。もう半分は別の事考えてた」

次もまたネタじゃないかと警戒する伊織に苦笑しつつ。

「伊織と大切なことを話す時は夕焼けを見ながらが多いなって」

初めて友達になった時。
海で話をしようと決めた時。
テニス部復帰の日、伊織を背負いながら告白した時。

「ん、そうね……だからってわけじゃないけど、夕焼けは前より好きになったかも」
「だよな。初めて学園でした時も夕焼けの綺麗な教室だったしな」
「『した』とか言うなーっ!」





「ったく、私着替えるから横向いてて」

逃げ込んだ先がちょうどテニス部部室だったので伊織は制服に着替えるようだ。

「今更隠すような仲でもないだろう」
「そんなこと言って、やらないわよ。さすがにここじゃ」

夏休みの教室ならいざ知らず、人で溢れる文化祭の最中では無理ですか。

「当たり前」
「でもミスコン優勝のご褒美を上げないと」
「え、えっちなのはいいわよ」
「遠慮するなって」

背後から伊織を抱きしめ囁く。

「え、遠慮してないーっ」
「……優勝するほどの美人さんは俺のためにそれを頑張ってくれたんだろ」
「あ、うーっ、そうだけど……」

あと一押しだ!頑張れ俺!

「今年は海に3回も行ってるし部活も始めたのに殆ど日焼けしてないし」
「そりゃ……気を使ってるわよ。秀樹が日焼けしてる方が好きって言うなら来年は焼くけど」」
「伊織の肌は綺麗だからこのままがいいな」
「う、うぁーっ、間髪入れずに真顔で言うなーっ!」

瞬時に真っ赤になり三倍の速度であたふたする伊織。
ところで赤服の乗る赤いザクはむしろ三倍ダメだったと思うんだ。
まさに「当たらなければどうにもならない」と言う感じだった。

「いや、知らないし……」
「ちなみに赤くなった伊織は三倍可愛いと思う」
「……ずるいと思うのよ、そう言えば私が抵抗しなくなるって分かってるのは」
「惚れた方が負け、って言うからな」
「うーっ……でも秀樹が私を好きになった方が早いんじゃないかしら」
「いやいや、伊織の方が先だって」
「絶対秀樹の方」
「伊織だって」

むーっ、とお互い顔を近づけてにらみ合う。
そして数秒後、互いに堪えきれなくなって吹き出した。

「いやー、普通はこういうのって『自分が先に好きになった』とかで張り合うもんじゃないのか」
「多分ね。でもいいじゃない、私たちらしいんじゃない?こういう方が」

そう言って伊織は後ろから抱きかかえている俺の手に自分の手を重ねる。
そしてその手をそのまま自分の胸へと持っていった。

「……する?」
「いいのか」
「仕方ないじゃない。こんなにドキドキしてるんだから、落ち着かせてよね」

目を閉じて口付けを交わす。
どうだ翠!望み薄と言われたがやってやったぞ!
と思った瞬間。
ぴく、と伊織の眉が動く。

「……今他の女の事考えなかった?」
「キノセイデスヨ」
「本当に?」
「あなたひどいひと。わたしにくびつれといいますか」
「うぅー、なんか納得できないけど……じゃあ、態度で示してよね」
「まかせとけ!」

必要以上に元気に俺は伊織のテニスウェアに手をかける。
捲り上げて下着が見えようとしたその瞬間……

『……デートは構いませんけど、校内でえっちな事はしてはいけませんよ?』

校内放送で先輩の声が流れた。
まさに狙い済ましたかのようなタイミングですな……

『なんのことでしょう?』

ああ、絶対に先輩は笑っていらっしゃる!
まぁ個人名で俺と伊織を名指ししないだけましだけど。

『個人的な伝言は置いておきまして、文化祭はただいまを持って終了致します。引き続き後夜祭を行ないますので皆様ご参加くださいね』

放送が途切れると主に、校庭の方から賑やかな音楽が流れ始める。
キャンプファイヤーとフォークダンス。
学園ものの定番だな。

「……行くか」
「ふふ、そうしましょ」

制服に着替えた伊織の手を取り、俺達は校庭へ向かう。
日が暮れるまでもう少し。
今日の夕焼けも、きっと忘れらないものになるはずだ――





――Fin――





『って秀樹!足踏んでる!』
『バカな!俺の華麗なステップが間違っているだとっ!?』
『間違いだらけよ!』
『ち、違う!俺の長い脚がだな、絡まってしまうのだ!』
『はいはい、長い長い』
『く、くそぅ……』
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青空の見える丘 第十五話『夕焼け空と文化祭(中編)』

注)もちろん前編参照のこと。




放課後、伊織のテニス部が終わるまで時間を潰そうと翠の居るであろう図書館へと向かう。
別にテニス部を見学しててもいい。
むしろ伊織のアンスコを凝視するのは最高なのだが、そうするとあのお嬢さんは数々のテニス必殺技で俺の顔面を狙ってくるのでやむなく避難である。





青空の見える丘
第十五話『夕焼け空と文化祭(中編)』





「それにしても先輩もやるな……」

……声までそっくりだった、というか同じだった。
さらに童顔(?)で巨乳、メイド服まで同じ……っ!
髪型も似てるといえば似てるか?
そんなことを考えつつ図書館へと辿り付く。

「やあ、秀樹君」
「よう」
「もしかしたらこのまま出番がないまま終わるのかと少しばかり不安になっていたから、来てくれて嬉しいよ」
「俺自身より出番の方が大事ですか」
「冗談だよ。特定の女性と深い仲になった後もこうして図書館に来てくれる、それは本当に嬉しいからね」
「ははは、まるで俺の事が好きみたいな言い方だな」
「もちろん好意は抱いているさ。父以外でこんなに気安く話せる男性は秀樹君だけだよ」

伊織と正式に付き合い始めてからも、みんな変わらず接してくれる。
それはとても嬉しいのだが……魅力的な女性が多い分、イコール誘惑が多いと言う事でもある。

「ふふ、魅力的に思っていてくれるなら光栄だよ」
「それはお互い様だな」
「伊織君と一緒になってからも、君はまだ僕を含め多くの女性を惹きつける。天然ジゴロと言うやつかな」
「誉められてるのか、それ?」
「意味は受け取った側が決めればいいよ。……でも実際いいのかい?伊織君の側に居なくても」
「ん、まぁ……テニスの練習に関しては俺が居ても役に立たないからな」

むしろ邪魔者扱いされてるからなぁ。

「そうかい?いつかの試合のように君が居る事で彼女はがんばれるんじゃないかと思うのだけれど」
「応援が必要な時はいつでも行くけど。普段の練習までべったりしてたらあいつの為にはならないだろ」
「一理あるかな。秀樹君が居ないと何も出来ない、では困るからね」

そこで一旦言葉を切り、笑いながら続ける。

「それにしても『秀樹は私がいないと何も出来ないんだから』というのが彼女のキャラ紹介にあったと思うのだけれど、もうまるっきり逆になってしまったね」
「……それに関してはノーコメントだ」
「そういう建前の話は置いておくとして、実はテニス部に在籍している同級生から話は聞いているんだ」
「どういう話でしょう」
「なんでも今井秀樹と言う二年生が途中入部の速水伊織のアンダースコートを凝視している、と」
「ナンノコトデショウ」
「それで激怒した速水伊織が百烈サーブやロブ落としを喰らわせた後、今井秀樹はテニス部に寄り付かなくなったとか」
「……超必殺技じゃなくて良かったです」

というかそれを知ってて建前を言わせるのは酷いと思うんだ。

「前編はまるで出番が無かったからね。会話を続ける為の苦肉の手段だよ」
「苦しいのは俺だけのような気がするぞ」
「ふふ、そこは個別ルートに入った以上諦めて欲しい」

くそう。だったら最後は伊織とあんなことやこんなことして終わってみせるぜ!

「望み薄だとは思うけど、健闘を祈っておくよ」
「おう」
「ところでタイトルにも入っている文化祭についてはさっぱり話が進んでいないのだけれど、秀樹君はまたライヴとかするのかい?」
「あー、うん、一応な。今回は伊織と先輩と翠を入れて某EDのダンスに挑戦したいと思ってるんだ」
「なるほど、男子二名は元々足りている。団長はツンデレ繋がり、先輩は性格以外はほぼ同じ」

翠はライトノベルにも精通しているようだ。

「僕は読書家繋がり、と言うことだね。表情の変化に乏しいと言う点もあるかな」
「理解が早くて助かる」
「ただ僕は上背があるから、あまりお薦めしないよ。寡黙な対有機生命体(略)とイメージが離れてしまう」
「お、拒否はしないんだな」
「確かに乗り気ではないけれど、君と先輩……会長の2人が相手は分が悪いからね」

その後もクラスの出し物、図書委員の出し物……など話を続け、時間も頃合といった辺りで俺は図書館を後にした。





テニスコートの方へ足を向ける途中、ちょうどそちらも仕事が終わったのか学生会御一行の姿を発見。
こっちが声をかける前に光一が俺に気付く。

「やあマイスィート秀樹君!僕の下校を待っていてくれたんだね」
「こんにちは、秀樹さん」
「ちはっす。先輩も今帰りですか」
「……秀樹君は放置プレイが大好きだね」
「誤解を招くような言い方するな」
「あら、誤解なんですか?」
「いや、興味ないわけじゃないですけど。今はべたべたしてる方が好きだったり」
「くすっ、秀樹さんも伊織さんも、若いとは言え程々にしないといけませんよ」

何を、とは言わない。
言えない、か?

「良いタイミングでしたね。文化祭のプログラムが今日完成したんです」

とプログラムの書かれた紙を手渡された。
ふむ……ざーっと見たところ……?

「……この『滝沢&秀樹 セカンドライヴ2DAYS』と言うのは」
「文字通りライヴを2日連続で行なうと言う事ですよ」
「俺も文化祭、伊織と周りたいんですけど、時間無くなりはしないでしょうか」
「諦めちゃってくださいね」
「ご無体な!?」
「ふふん、ライバルとばかりべたべたされても困るからね。文化祭は僕と二人で楽しもうではないか、秀樹君」

あんまりだ!
って言うか顔を赤らめるな!

「そ、それに『滝沢&秀樹』より5人でハレ晴レダンスの方が今は良いと思いますよ!?」
「それも楽しそうだったんですけど、ライヴの次の準備があるので遠慮させていただきますね」
「準備?」
「プログラムの次を見たまえ」

どれどれ……
こ、これは!?
ライブ2日目の次っ!

「ミスコンキターーー(略)ーーーーーっ!」
「秀樹さんなら喜んでくれると思いまして、ちゃんと組み込んでおきました」
「グッジョブです!」
「『滝沢&秀樹』のお二人にはそのまま舞台に残ってもらって特別審査員をしてもらっちゃいますね」
「特等席ですね!最高ッス!!」
「なのでライヴ、頑張ってくださいね」
「いつでも全力投球です!前回を遥かに越える最高のステージをお見せしましょう!…………ハッ!?」
「はい、全力でお願いしちゃいますね」

ま、またもや同じ失敗をしてしまった……
俺って成長してないのか、もしかして。

「文化祭は僕が秀樹君を独り占めさ」
「何言ってるのよ。秀樹は私のよ」

テニス部が終わったのか後ろから伊織がやってきた。
先輩に軽く会釈して話に加わる。

「あらあら、さすが正妻の余裕と言うやつですね」
「そ、そういうわけじゃないんですけどねっ!?」

そこでどもるなよ。

「でもちょうど良かったです。伊織さんにはミスコン出場をお願いしようと思っていたので」
「本当にやるんですか……」
「やっちゃいますよ?」
「うぅ、できればそういうのは辞退したいなぁって思っちゃったり」
「ミスコン優勝者には『滝沢&秀樹』のいずれかとの一日デート権をプレゼントしちゃおうと言う話なんですけど」

人差し指を立てるいつものポーズでさらりと仰った。

「特別審査員の裏でそんなことが!?」
「そ、それって私が優勝しないと秀樹が誰かとデートしちゃうってことですか?」
「光一さんの可能性もあるので、絶対とは言いませんけどね」
「わ、わかりました!やりますっ」

ほぼ条件反射で答える伊織は可愛いなぁ。

「ふふん、それでこそ我がライバル!その挑戦受けて立とう!」
「いや、お前はミスコンに出るわけじゃないだろ……」
「秀樹君とのデート権が貰えると言うのであればミスコンに出る事もいとわないさ!」

無茶言うな。
と言うかお前も賞品の側なんだし……

「ちなみにわたしも出場しますから。もし優勝したら秀樹さん、よろしくお願いしますね」
「お願いされちゃいます。でへへ」
「されるなーっ!?」





こうしてクラスの出し物の準備の他、歌と踊りの練習をこなす日々が始まった。
前回もそうだったが慣れてくると楽しいもので、前以上の盛り上がりにしてやる、と気合も入る。

「そんなこんなでもう二日目のステージだな」
「……少しはしょりすぎじゃないかい、秀樹君」
「なに、楽しい事は早く過ぎ去るもんだ」
「ふむ、それもそうか。僕と秀樹君のライヴ初日は大盛り上がりだったからね」

新入生歓迎会以上の盛り上がりで俺と光一はステージから降りる事もなかなか出来なかったからなぁ……
俺ってあんなに人気あったんだな、でへへ。
と思ったりもしたのだが半分が光一ファンだったので少しショックも覚えた。
まぁ、確かにバク転やらブレイクダンスなどは俺には出来ないけどさ……
ともかく俺も光一もなかなか動けずいたのだが、そこに現れたのは何故かスポットライト独り占めした小夏であった。
……本当にこいつ意識不明になったりしてたんだよな?
それともやはり頭打ったことが原因で外れてたネジが更に数本増えたのだろうか。





カッ!と当たるスポットライトが増えた。

「ひとーつ、人より薄い胸!」

カカッ!更に二つのライト。

「ふたーつ、双子ブームはもう過ぎた!」

……まぁ、そうかもな。
更に三つのライトが一斉に小夏を照らす。

「みっつ!水着はスク水オンリー!」
「よく言った!」
「秀兄ぃが欲しくばこの小夏っちゃんを倒してからにしてもらおう!とぅ!」

ステージの上に着地した小夏に全員の視線が集まる。
スク水エプロンと言うその姿に男子生徒の目は釘付けになった。

「お前なんつーカッコで……」
「あ、これ遊び水泳部の出し物、『スク水喫茶』の衣装」
「よく学生会の許可が下りたな、おい」

副会長である光一を見る。

「うむ。難色を示す委員もいたが、他にも色々な喫茶店があったために差別化を図ろうとGOサインを出した。会長のお墨付きだ」
「秀兄ぃ、来てくれたらサービスしまくりだよ」
「もちろん行くとも!」
「ポロリはないけどね!」

そんな!?
……じゃじゃ○とか飛ぼうと努力しているペンギンも居ないのだな。

「秀兄ぃ、それはもはや小夏っちゃんたちの生まれる前の話だよ」

にこにこしながらツッこむ。

「まぁ、僕としても秀樹君が喜ぶならば、と渋々承諾したが……なんか悔しい」
「ま、ここの視線は小夏っちゃんが引き受けた!二人は今のうちにこっそり退却するといいよ」
「すまん」
「にゃはは、喫茶店の宣伝にもなるしね!」





裏から抜け出し、自分のクラスへと足を向ける。
小夏には助けられたが……
歓迎会と違い一般客の目がある文化祭であの格好はいいのかなぁ。

「数年前なら保護者が黙っていなかっただろうね。今はあちこちにメイド喫茶などが乱立しているからそれが上手く受け皿になったんじゃないかと思うよ」

俺の疑問に横から説明が入った。

「と、翠。今は休憩かなにかか?」
「自分のクラスに戻るところだよ。今は秀樹君の姿を見に講堂に居たからね」
「お、見てくれたのか」
「当然だよ、僕も君のファンだからね」

おぉ、何か嬉しいな。

「しかし前回にも増して大人気だったね。君が伊織君と付き合っていると言うのは殆どの生徒が知るところだと思ったのだけれど」

知らない者の居ないくらいのプリンセスである伊織が男と付き合いだしたと言うのは二学期早々に知れ渡ったからな。

「ふふ、君自身も十分注目されているのだけれどね。その鈍感さは美徳でもあるし罪でもある、か」
「どういうことだ?」
「ここは女子の割合が高い。つまり目立つ男子が居れば自ずと注目されているんだよ。歓迎会の時からずっとね」
「あー、まぁ、そうかもな」

おかげで初めてのラブレター(誤解、だったと思いたい)も貰ったわけだし。

「もし文化祭を客として楽しみたいなら今日のうちに回っておく事をお薦めするよ。明日はそんな余裕がないだろうからね」
「今日だって小夏が来ないと抜けられなかったからな」
「それもあるけどね。明日はミスコンで伊織君が上位に入るのは間違いないし、君だけじゃなく伊織君も自由に動く事が難しいだろうから」
「……なるほどな」

今のうちに逃走経路確保しておかないとな……
そう思いつつも足はスク水喫茶へと向かうのだった。





と言うのが昨日の話だ。
そして今日のステージは昨日とは楽曲を少し変えるなど更なるチャレンジに挑んでいる。
放送部も前以上にノリノリで、派手なスポットライトの他、スモーク等無駄に力を入れてくれた。
さらに前回はCDでの演奏だったが今回は軽音部の生演奏。

「しかしお前もすごいよ。クラスの出し物、学生会の仕事、んで家の仕事ももう少しやってるんだろ?その上で歌と踊りまで完璧にこなすとは」
「将来の滝沢グループを背負う者としては至極当然だよ。それに、秀樹君と一緒だからね」

まったく、こうしてみれば俺にはもったいない親友だな。

「『心友』として完璧にこなしてみせるとも。もちろん今日のステージもね」
「字が間違ってやしませんか」
「間違ってなどいないとも!」

まぁ、友情ならばそれでいいんだけどさ……
愛とか言い出さないうちに切り上げておくとしよう。

「そろそろ時間だな」
「うむ、では行くとしようか」
「おう、過激にファイアー!」

俺たちは眩いスポットライトの元へ走り出した……!





次回予告) ナレーション:西村小夏

ついに始まるミスファミーユとは名ばかりの秀兄ぃ争奪戦!
春姉ぇのおっぱいミサイルが火を噴く!

「で、出ないよっ、そんなの……」

すいすいの触覚に隠された謎とは!

「妖気を感じる事くらいは出来るかもしれないね」

謎の忠告!会長さんの目を開かせてはいけない!

「割と開いてるんですけどね」

ついに繰り出されるペタリーダーの最終奥義!
『当ててんのよ』『え、何が?』
無い訳じゃない、小さいだけなんだ!

「うあーんっ!?」

そして小夏っちゃんが放つポレポレとの合体攻撃!
『ボカチュー!ボカチュー!』
果たして秀兄ぃは生きて帰れるのか!?

「え、全部俺が喰らうのか?」

次回!第十六話『夕焼け空と文化祭(後編)』
秀兄ぃの修羅場が見れる!
この予告は九割のノリと一割の勢いで出来ています!
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2006年5月18日 1/100インフィニットジャスティスガンダム

5月18日(木) 21勝15敗1分け
この――バカ野郎っ!と思った日のこと。

・D.C.II
サーカスから春風のアルティメットバトル、ちょこっとブックレットが届く。
……1ヶ月前に送れよ、と。
この発売ほぼ1週間前の段階では買う人はとっくにネットで落としてるだろうし。
これをやらせて興味を持たせようというのであればもう予約閉め切ってる今は遅すぎる。

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青空の見える丘 第十四話『夕焼け空と文化祭(前編)』

注)基本伊織ルートのはず。
色々ご都合主義的な部分は多いですが。
さとがえりはしてるし先輩も残ってると言うくらいは大目に見てください。





『拝啓。
姉さん、お元気ですか。

「姉さん、事件です!」

……と言う書き出しを一度くらい使ってみたいのですが、
今のところ使う機会はなかったりします。
というか少しくらいの出来事を事件と思えなくなっているのが困りものです。
先日の帰郷はとても楽しかったです。
次もまた会える日を楽しみにしています。

こちらでは既に二学期が始まり、徐々に秋が近づいてきています。
これは、文化祭を目前にしたある日の出来事でした――』





昼休み。
屋上で昼食を摂る俺と伊織と春菜と小夏。
既にパンを食べ終えた俺は空を見上げ、呟いた。

「ミコトちゃんの名前は何故カタカナなのだろうか」
「……いきなり何よ。全っ然脈絡ないわね」

ふと思い出したからな。

「それはきっと『命』って漢字で氏名が二文字じゃ何となく短いから!で間違いないっ」
「あと、ウィンドウに名前が表示される時一文字だと分かりにくいからじゃないかな?」

ええい、この姉妹は外角高めギリギリを……

「まぁ本当にその漢字なのかどうかも分からないから何とも言えないわね」
「漢字は置いといて、なら何故ひらがなではなくカタカナなのか」
「ひらがなで『みこと』じゃなんか、こう……弱いというか」

伊織が言いたい事は分かる、が……何が弱いのか誰も具体的に言う事が出来ない。

「あらあら、ひらがなはカタカナより弱いんですか?」

そう言いながら登場したのはもちろん見た目は純白!中身は真っ黒!な先輩だった。

「人をどこかの10年間進級してない高校生探偵みたいな言い方しないでくださいね」
「読まれてる!?」
「声に出てるわよ……その癖直しなさい」
「伊織ちゃんもね」
「この、似たものバカップルめっ!」

三連続ツッコミとはいつの間にやらコンビネーションが出来てきてるな……

「秀樹と似てるなんて心外よ!むしろ侵害!」
「そんなこと言うなよぅ!?」

散々だ。

「そんなにバカップルなんですか?」
「えと、二学期になってから席替えをしたんですけど……」

春菜が説明を始めたが人に任せると色々脚色されそうなので自分で話す事にする。





青空の見える丘
第十四話『夕焼け空と文化祭(前編)』





二学期が始まってすぐのホームルームで席替えをする事になった。
今の席もそれなりに気に入ってはいたが、常に背後から伊織にシャーペンで突付かれるのは困りものだった。

「これで背後に怯えず暮せるようになるな」
「そんなこと言って、教壇前とかになっても知らないんだから」
「それは勘弁だな」

番号札の入った箱を持って光一がやってくる。
気になるのか後ろから春菜とミコトちゃんも。

「秀樹君と机を並べて勉強できるなんて楽しみだなぁ」
「わたしも秀くんの近くがいいな」

誰がいつ光一と並ぶと言ったんだ。

「照れる事はないよ秀樹君、これが運命だったのさ。君と、僕の」
「……やめてくれ」
「ははは、秀樹君は僕に対していつもツンデレだね」
「いつデレをしたよ」

そんな軽口(だと思いたい)を交わしつつ、俺は札を取り出す。

「お、窓際の後ろか……ついてるな」

残暑が厳しい今は少し暑いが秋になれば快適に過ごせるだろう。
快適に寝られるとも言う。

「残念、僕とは離れているね……」
「良かったよ」
「分かっているとも。物理的な距離は離れていても心まで離れ離れには出来ない、とね」

分かってねぇ。

「じゃあ次は僕の愛しい秀樹君を奪った泥棒猫だな」
「もう、やめてよね。そういう言い方」

文句を言いながらも引いた番号は……

「あ、また秀樹の後ろね。窓際最後尾」
「……お前は団長か」
「なによ、それ」
「伊織ちゃんと同じツンデレっ娘ですね。最近はやってるんですよ」
「私のどこがツンデレだって言うのよ」
「それは……」
「ねぇ……?」
「うぅ、ミコトと春菜に頷かれると何か悔しい……」

またしても俺は背中をチクチクとやられる事になるのだが……
席替えしてすぐの授業中に気付いた。
その突っつきが文字をなぞってるものだと。
しかし授業中にそれを指摘することも出来ず、結局は為すがままであった。

「秀樹、なんて書いてたか分かった?」
「書くなよぅ!痛いんだぞ!」

休み時間早速聞いてきた伊織にはそう返すのが精一杯。

「えーと、かゆ……うま?」
「全然違うわよ」
「指とかでなぞるならともかく点で表現されても分からないぞ」
「……分かってよね」

そう言いまた、今度はゆっくりと……

「分かった?」
「……分かった」

けど、言えるか。
二人きりならともかく教室の中でなんて。

「本当?じゃあなんて書いたか教えてよ」

いつもとは逆に伊織にいじめられてますよ!?

「ふふん、いつも困らされてばっかりだと思わないことね♪」
「く、くそう!はるえもん~!ジャイオリンがいじめるよ~!」
「語呂悪っ!?」
「はるえもんって……どうしたの、秀くん?」

春菜とミコトちゃんと他一名が俺の声を聞きつけてやってきた。

「秀樹君!君が助けを呼ぶ声、この僕がしかと聞き届け」
「実は(以下略)」
「なるほど、そうだったんですね」

(以下略)で通じるのか。

「まぁ、見てましたから」
「あ、あの、秀樹君?」
「それはいつも秀くんもしてるんだし仕方ないんじゃないかな」
「そうですね、今井くんも伊織ちゃんに素直になれなくてよくやってましたからね」
「それって、秀くんと伊織ちゃんはお互いにツンデレだったって事かな?」

春菜の口から『ツンデレ』と言う単語が飛び出るなんて昔は想像もできなかったな。

「なっちゃんがね、『都会ねーちゃんは秀兄ぃにツンデレだね!』って言ってたから」
「もしもーし……」
「うむ、伊織はメーカーも売りにする黄金比のツンデレっ娘だからな」
「話が脱線気味ですけど、結局伊織ちゃんは今井くんに何て言わせたいんですか?」
「ほら、早く言いなさいよ秀樹」
「くっ……」

このまま伊織に屈してしまうのか今井秀樹!
いや、待て……相打ちならばどうだ。

「……もしかしたら間違ってるかもしれないし、伊織も一緒に正解を口にしてくれよ」
「えっ!?」
「人に言わそうとしてるくらいだ、自分が言えないなんて事はないよなぁ?」
「そ、それは……」

伊織は正論(?)に弱い。

「わ、わかったわよ。いい?せーの……」





「……なんて事がありまして」
「くすくす、それはまた目の前でやられたら思わず黙らせちゃいたくなりますね」
「……黙らせちゃうんですか」
「らせちゃいます♪」

どういう手段かは……教えてくれないだろうなぁ。
知るのも怖いし。

「……でも少しだけ羨ましいかな、って思っちゃったりしてもいいですか?」

不意打ちだ。

「だ、ダメです!」
「……怒られちゃいましたね」
「いえ、その、怒ったわけじゃないんですけど……」

俺より早く反応した伊織とそれを読んでいた先輩。

「なるほど、秀樹さんが伊織さんをいじりなる気持ちも良く分かりました」
「分からないでください……」
「やっぱり楽しいですよね」
「楽しむな!」

右が来る!
スウェーでかわせる……っ!?

ばきぃっ!

「ぐは……っ、まさか体毎叩きつけるジョルトを会得していたとは……」

スウェーで伸び切った所にモロ入った……
テニス部に復帰してから威力が増しているのかなかなかダメージが抜けない。

「調子に乗りすぎ」
「よくぞわしを倒した。だがこれで終わったとは思わないことだ、第二第三の今井秀樹が……」
「来なくて良いわよっ」
「やっぱり秀くんと伊織ちゃんはどつき夫婦漫才コンビだね、いいなぁ……」
「ふふ、羨ましいですよね」
「これで1000万はいただきだね!」

先輩の発言は本気なんだか冗談なんだか……





思い出したように先輩が切り出した。

「ところでひらがなはカタカナより弱いならわたしの名前も弱いんですか?」

ああ、先輩の名前はひらがなだったな。

「カタカナだと何かファンタジーとかSFに出てきそうな感じですよね」
「それはあるかもしれませんね」
「漢字とか実はあったりしませんか?こう、裏の設定とかで」
「裏の設定って……」

ギリギリどころかもうレッドゾーンに足を踏み入れてる気がしなくもないがあえて続ける。

「例えば開発段階では伊織の通称は『ツンデレ(ペタ)』だったとか」
「嘘っ!?そんなんなの!?」
「となると、春姉ぇは『田舎ボイン』?」
「単純に『田舎姉』かも知れないぞ。『田舎ボイン』だと姉さんと被るし」
「お姉ちゃんは『巫女』とかじゃないのかな」

その線もある。そしてボインをスルーしたな春菜。
と言うか通称とかじゃなく属性になってきてるような気がする。

「小夏っちゃんは『元気』と『ロリ』、そして『スク水』担当だね!」
「おおっと!今や『ポニテ』も一大属性として認知されてる時代!忘れてはもらっては困る」
「むぅ、やるな秀兄ぃ!」

伊織と春菜が俺と小夏を理解出来ませんと言う視線で眺めていた。
先輩は……なんか分かってそうだけど。

「しかし自分で『ロリ』とか言える辺りはすごいぞ」
「にゃははは、自分のセールスポイントは自覚しないと武器にならないのさ!」
「一理あるな。つまり伊織ももっとペタリーダーとしての自覚を持とう!と」
「ペタペタ言うな!」

いつものように反論しかけた伊織の前に小夏が拳を握り力説する。

「都会ねーちゃん、ペタは弱点じゃない!立派な武器なのだよ!」
「ぶ、武器!?」
「世の中巨乳好きだけじゃない。ひんぬー好きも多い!」

そこでチラ、っとこっちを見る。
伊織も釣られてこっちを見た、
というか全員(巨乳:2人、ペタ:2人)の視線が集まっていた。
どっちが好きと言っても門が立つしここは!

「……俺は胸なら大小問わず好きだ!」
「威張るなバカ!」
「秀くんのえっち……」

そっちが言わせたくせに!?

「考えてもみてよ。貧乳から巨乳に成長する事は出来る、けど逆は出来ない!」
「た、確かに……」
「まぁ大きくなる保証はないけどね」
「うあーん!」

持ち上げた方が落とした際のダメージは大きい。
頑張れペタリーダー!大きくなるかどうかは俺の手にかかっている!(?)
そしてうなだれてしまった伊織を他所に小夏は話を続けた。

「すいすいは当然『ミステリアス』とか『触覚』とか『黒スト』、ペタブルーでもあるし、さらに『僕っ娘』萌えー」

属性が多いな、すいすい。

「じゃあわたしは一体どんな属性になるんでしょう?」
「『腹黒』、『巨乳』、『ブルマ』!」
「即答っ!?」

いおりんがツッコミのために復活した。
本当にツッコミ体質だなぁ。

「あんたがボケるからよ、もう」
「にしてもよくもまぁ本人を前にして……小夏じゃなきゃ出来ないぞ」
「と言う事は秀樹さんも口に出さないだけでそう思っていたということですね」
「しまったっ!俺の正直者め!」
「秀樹のはただのバカだと思うけど」
「つまり秀兄ぃはバカ正直なんだね!」
「ば、バカバカ言うもんじゃありません!」
「ふふ、バカは死んでも治りませんから。残念ながらもう手遅れです」
「すっごい笑顔でそんな事仰いますか!?」

つうこんのいちげき!
ひできに999のダメージ!

「は、春菜……お前だけは俺がバカとは言わないよな?」
「えーと、大丈夫。バカも鋏も使いようだよ、秀くん」
「ひ、酷い!今井秀樹の半分は優しさで出来てるって言うのに!」
「じゃあ後半分がバカなのよ」

優しさと馬鹿しかないのか!?

「それにスケベが抜けてるよ。そっか、スケベを入れて120%だね!」
「いや、何かおかしいだろそれ!?ジェントル秀樹なのにジェントル入ってないじゃん!」
「秀樹さんは以前ノリだけで出来ていると言ったのに自分で忘れちゃってますね」
「……俺の器は大きいんです。全部で400%くらいへっちゃらさ!」
「HEAD-CHA-LAだから頭が空っぽなのね」
「きっと秀くんの中にはえっちな夢が詰まってるんだね」

四面楚歌ってこのことか。
そんなほんとにバカ話をしていると、昼休みの終わり5分前を告げるチャイムが鳴った。

「ではそろそろ戻りましょうか」
「そうですね」
「誰も俺のフォローをしてくれない……」

と、忘れる所だった。
立ち上がり階段に向かう途中、先を歩く先輩に切り出す。

「で、先輩の名前って漢字でどう書くかとかは……?」

それを聞いた先輩はくるりと振り返り、いつものように人差し指を立てて。
一言だけ。

「禁則事項です♪」
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2006年5月15日 BB戦士デスティニーガンダム

5月16日(火) 21勝14敗1分け
やだ。死ねって言う、と思った日のこと。

・ロト紋
読み終わり。
終わりの超展開も嫌いではない。
ただ異魔神は大きいままなら負けなかったのにわざわざ小さくならなくても、とは思う。
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2006年5月12~15日のこと。

5月15日(月) 20勝14敗1分け
死は恐るるに値しない!恐れるべきはお前の中にある弱い心なのだ……と思った日のこと。

・ロトの紋章
誰かも最近ドラクエの話をしていましたが、俺もまたドラクエが(5以前に限る)したい感じ。
一先ず1年ぶりくらいにロト紋を再読中。2日で13巻まで。
これとダイの大冒険はずっと売らずに残しておく漫画確定なのですよ。

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2006年5月11日 BB戦士ガンダムアストレイレッドフレーム

5月11日(木) 19勝12敗1分け
まぁまぁかがみはツンデレだなー、と思った日のこと。

桜も9割ほど散ってしましました…・…
数年前は桜=D.C.的思想だったけど今は特に何も思い浮かばないな……

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2006年5月2日~10日のこと。

5月10日(水) 18勝12敗1分け
2分?わずか2分で25機のザクとグフが全滅だと!?と思った日のこと。

全滅と言う単語を聞くとメガンテを使うことを覚悟したタルキン爺さんを思い出す。
キラがアムロよりすごいんだと言う嫁補正の為のこの台詞ですが。
アムロにもマルチロックオンとか複数攻撃の術があればもっと早いのかもしれないと思った。

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2006年5月1日 魔装機神サイバスター

5月1日(月) 13勝10敗1分け
ディスカッター、乱舞の太刀!と思った日のこと。

OGsに乱舞の太刀追加されんかねぇ……
日本全国暑かったようですが、こっちは特にそんな事はなく……
まだ夜は暖房が必要だったりする。
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